2023年保存版|フィリピンから日本へペットを連れて帰る手順

2023年4月6日にフィリピンのセブから日本(セブーマニラー成田)へ犬1匹(ミニチュアダックスフンド:オス2歳)をフィリピン航空(PAL)で連れて帰ったので、その経験を元に備忘録も兼ねて情報を記録します。

基本的な手順

基本的には、この日本の動物検疫所のウェブサイトに書かれている手順に従って行えば良いです。細かい法律やいろいろな手続き、必要な書類のフォーマットなどもこのサイトに記載があります。ですので個人ブログよりは動物検疫所のサイトの方が最新情報が取得できるので、迷ったらこのサイトを見て必要あれば問合せすれば良いでしょう。

引用:動物検疫所

実際の流れと具体的なポイント

ここからは上記の動物検疫所の手順に沿って、僕が実際にどのように行ったのか、そしてその際に気を付けておかないといけないポイントについて書いていきます。

手順1:マイクロチップの埋め込み

マイクロチップの埋め込みは、できるだけ早く済ませてしまいましょう。生後数か月の子犬でもマイクロチップの埋め込みは可能ですので行きつけの獣医に相談し、埋め込んでもらうようにしましょう。自分では埋め込みはできません。マイクロチップは国際標準化機構(ISO)11784及び11785に適合する必要があります。

僕の場合は、PETDENTITYというところでペットパスポート(必須ではないが、いろいろとペットの旅行に必要な情報を書き込めワクチンの記録帳としても使えるので便利)と一緒にマイクロチップを申し込み配達してもらいました。ここのマイクロチップはISO規格のもので日本への輸入手続き、日本に帰ってからの登録などもスムーズに行えました。マイクロチップ受け取り後、当時行きつけにしていたマクタンの獣医さんに埋め込みしてもらいました。うちの子の場合は生後7か月で埋め込みをしました。

ペットパスポートの中身1
ペットパスポートの中身2
ペットパスポートの中身3

また、実際にマイクロチップが読み取りできるかは読み取り機がないといけません。動いているか心配な方は獣医にスキャンしてもらって確認しましょう。自分で確認する方法は、ネットで1000ペソくらいの読み取り機でも確認できます。僕は念のため買って自分でも確認できるようにしました。

市販のマイクロチップ読み取り機

マイクロチップの埋め込み箇所は今後の申請でも記載が必要になりますので、覚えておくかどこかに記録しておきましょう。ちなみにマイクロチップについてくる記録用紙、もしくはペットパスポートにはマイクロチップの埋め込み場所記載欄があるので獣医に埋め込みしてもらった際に、内容を獣医に記載してもらうようにした方が良いです。

手順2:狂犬病予防注射(2回以上)

狂犬病の予防注射は、マイクロチップ埋め込み後に最低2回打たないといけません。うち子の場合は、マイクロチップ埋め込み前に打っていたので、ワクチンを打ち直しました。基本的に1回目を打ってから30日で2回目を打てるので、僕の場合は30日開けて連続で2回打つようにしました。打ってもらった狂犬病予防のワクチンはBoehringer Ingelheim社のRABISINというワクチンです。ちなみに製造元やワクチン名も今後の手続きに必要になりますのでちゃんと記録に残すようにしましょう。

上記の30日のルールや細かい規制、ワクチンの種類などは、動物検疫所のサイトや獣医に確認するようにお願いします。

手順3:狂犬病抗体検査(血液検査)

フィリピン国内に対象の血液検査を行える場所はありません。なので日本の検査機関に送らないといけません。日本の検査機関も一般財団法人生物科学安全研究所の一択です。どのようにして日本に血液を送るのかは各サイトをご確認ください。発送する場合は特別な梱包や申請が必要になります。また発送ではなく、日本に行く際に持って行くことも可能だそうです。

僕の場合は、セブのCaminade Animal Hospitalで血液検査手続きを約2万ペソでお任せできたので、それで行いました。煩わしい手続きなど全てやってくれますので少し高いですがおすすめです。Caminadeの獣医さんは、フィリピンから日本へのペットの輸入について内容をかなり把握しているので話もスムーズに進み、ストレスはありませんでした。ぜひ経験のある獣医さんに相談してみてください。ちなみにCaminadeのスタッフはあまりプロセスを理解していないので詳細は獣医さんと話したほうが良いです。

採血は、2回目のワクチンを打ったその日に可能です。僕の場合は、2回目のワクチンを打ってもらったあとそのまま採血し、手続きをお願いしました。その時に獣医さんの携帯の連絡先を聞き、結果が返って来次第連絡もらえるようにしていました。携帯の連絡先を聞いておくことでSMSでもやりとりできるのでおすすめです。結果約1ヵ月後に画像の通り結果が返ってきました。これも後の手続きで必要になるので大切に保管します。

血液検査結果

検査に必要な血液量など詳細は動物検疫所のサイトをご確認ください。

手順4:輸出前待機(180日間)

狂犬病抗体検査の採血日を0日目として、日本到着まで180日間以上の待機する必要があります。これは待つしかありません。

半年あるので、日本に帰国予定がなくてもできるのであれば早めに手順3まで済ましておくのがおすすめです。いきなり帰国しようと思ってもこの待機時間があるためすぐに帰れるわけではありません。

一定条件を満たすと180日間免除になる場合もあるので詳しくは動物検疫所のサイトをご確認ください。

手順5:事前届出(日本到着の40日前まで)

これも詳細は動物検疫所のサイトを確認いただきたいです。僕の場合は、NACCSのサイトでオンラインで届出を出しました。オンライン以外のやり方はわかりません。

この届出は日本到着の40日前までなので早めにやってしまってもいいと思います。届出さえ40日前までに出しておけば、40日以内になってもフライトや、ペットの情報などは修正可能ですので、まだ詳細決まってなくてもわかる内容だけ書いて出しておけば良いと思います。

またNACCSの方は、ペットの輸入手続きに精通していますのでメールで詳しく聞いたりすることも可能です。僕の場合は、最初出していたフライトでペットを輸入した事例が少ないので、航空会社にちゃんと問合せしたほうが良いなど、わざわざメールをもらいアドバイスをしてもらいました。また手順7であるForm ACにはフィリピン政府(Bureau of Animal Industry:BAI)のスタンプが必要ですが、このスタンプがBAI間違えたりするようなので、スタンプのサンプル(以下の画像)をNACCSからもらいました。なのでいろいろ不明な点はNACCSに確認してもらったら良いかもしれません。

手順6:輸出前検査

出国前10日以内に、獣医さんに健康診断をしてもらいます。そこで輸出入に問題ないということを証明するためにHealth Certificateを発行してもらいます。

Caminade Animal HospitalのHealth Certificate

手順7:輸出国の証明書の取得

動物検疫所のサイトで日本の標準のひな型(Form AC)をダウンロードできますので、それをプリントしておき、自分たちで記入する部分に記入しておきます。僕の場合は、Form ACに事前に記載後、NACCSの方にメールで記載内容に問題がないか事前に確認してもらいました。

動物検疫所のサイトでは、この証明書をどこに行って、どのタイミングで取得するのか詳しく書いていません。なので僕の実際の経験を書いておきます。結果から言うとBureau of Animal Industryに行ってそこで証明書を発行してもらわなければなりません。

手順6で獣医さんからHealth Certificateをもらったその足で、BAIに向かいます。セブのBAI事務所はこちらです。そこで獣医さんのHealth Certificate、Form AC、必要な情報(マイクロチップやワクチン、血液検査など)をBAIに渡し、Form ACへのスタンプと証明書を発行してもらいます。僕がそのときBAIからもらった書類はスタンプを押してもらったForm ACとBAI発行のHealth Certificate(以下の画像)でした。ただあとあと空港でShipping Permit(セブ空港でマニラ行の際に聞かれました。マニラから成田は聞かれませんでした。)も必要だと言われたのでこのときBAIにそれも発行してもらったほうが良かったかもしれません。僕の場合は、NACCSの事前届出の申請の一式をプリントしていたのでそれを空港で見せてShipping Permitがなくても問題なく通過することができました

BAI発行のHealth Certificate

上記のBAIでもらった書類は、スタンプや記載内容に問題がないか確認してもらうためにNACCSにメールで送り事前に確認してもらいました。これをすることで日本についてから書類不備に気づくということを防ぐことができます。とくにスタンプはインクではなく、プレスして凹凸で押されるスタンプのため凹凸がわかるように写真を撮り、NACCSに送り確認してもらいました

手順7.5:飛行機移動

この手順については動物検疫所のサイトには書いていません。実際の僕の経験を書きます。僕は今回フィリピン航空(PAL)使い、セブーマニラー成田と移動しました。PALは基本的にペットを機内の座席に連れて行くことはできません、なので預け入れ荷物としてチェックインの際に渡すことになります。他のアシアナ航空やチェジウ航空などは座席まで持ち込み可能なサービスもあるようですので鼻が短い犬種などはそちらを利用することになると思います。また基本的にフライトのチケットを予約する際に「ペット連れ」などの選択肢はありません。なのでチケット購入前にその航空機はペットを乗せることが可能なのかどうか確認し、それでチケットを購入する必要があります。僕の場合は、事前にPALに問い合わせ、セブー日本の直通便では、ペットを乗せれる便がないことがわかり、マニラ経由を勧められたのでその通りにしました。あとPALのルールで、48時間以上前にPALに電話(メールやチャットではない)し、ペットを連れて行く旨を伝えて向こうに認識してもらう必要があります。僕の場合は、念のために2週間前と3日前に2回確認の電話をしました。

まず、セブ、マニラとも犬のチェックインの手続きに慣れている従業員は少ないです。チェックインだけで少なくとも1時間はかかりました。なのでできるだけ早く空港に着き、手続きできるようにしてください。僕の場合は3時間前にはチェックインするようにしましたが結局完了したのは出発の2時間から1時間半前でした。チェックインまでは、セブでもマニラでも空港内でケージから犬を出してても何も言われません。とくに問題ないようです(日本の空港ではNGですが)。

セブの空港では、かなり早く着いたので国内線ターミナルのDepartureの車を横付けできるところで待機、その辺で犬のトイレも済ませました。そしてチェックインに移動、上記で準備した必要書類をチェックインカウンターで提出し、コピーなどをとってもらいます。この際にShippin Permitの提示を求められましたが、持っていなかったので代わりにNACCSの申請のコピーを見せることで問題なく通れました。チェックインの際にセブーマニラ間のペットを運ぶ手数料も支払います。そしてマニラでの待ち時間があったため、その間に犬を受け取れるよう確認しました。その後、係員と一緒に移動し、ペットのケージのXレイ検査に同席し、その後係員連れられ自分も荷物検査に進みます。なので普通の荷物検査の列に並ぶ必要がなく、それ自体はすぐに終わりました。

マニラの空港に到着後、荷物を受け取るところの係員の声をかけ、犬の飼い主であることを伝え、連れてきてもらえるまで待機です。通常の荷物が出てくるコンベアではなく、横の扉から連れてこられます。マニラ空港の第2ターミナルの外にはターミナルとピッキングの車道の間に植え込みがあるので、そこで犬のトイレもさせることができます。ただもちろんうんこはちゃんと掃除しないといけません。ターミナル2のすぐ外には24時間営業で屋外席のあるDenny’sもあるので、そこで時間をつぶしたり、そとのベンチで時間をつぶしていました。

そしてチェックインに移動します。マニラ空港では、チェックインカウンターがかなり混みます。通常でも1時間待ちになることもあるので注意です。僕の場合は、PALのSpecial Assistという高齢者などが利用するチェックインカウンターで対応をしてもらいました。犬を連れているので特別に対応をしてもらい通常の列に並ぶことがなく快適でした(犬の手続き自体は時間がかかりますが)。セブ同様必要書類を提出し、向こうでコピーを取られ、手数料をペソで支払います。その後、空港係員と共に、空港内のBAIの担当者のところへ行き、同じく書類を提出コピーをとってもらい、その後以下の画像の書類にサインをして手続きが完了しました。マニラではケージのXレイ検査はないとのことで、チェックインで犬とは離れ、通常の荷物検査を行い搭乗しました。

マニラ空港でのBAIの書類

手順8:日本到着後の輸入検査

日本に到着後、ペットは荷物が出てくるところの後ろの方にある、検疫の場所に直接連れて行かれるので、荷物受け取り後、後ろの検疫のところに行きます。そこで輸入検査をします。書類(とくにForm ACが大事)を提出し、マイクロチップの読み取りなど行い、証明書を発行してもらいます。問題なくいけば10分ほどで手続きは終わります。ちなみに検疫所の方はメールからもすごい丁寧で、ペットにも優しくとても安心しました。

おまけ:成田空港での犬のおしっこをさせれる場所

成田空港到着後、犬もチェックインから合わせると8時間ほどケージの中にいたので、どこかでおしっこをさせれるか係員に確認しました(うちの子がトイレシートや屋内ではなかなか用を足さないため)。するとターミナル外のちょっとした原っぱでしてもかまわないということだったので、電車待ちの間そこで、犬におしっこをさせて、少し遊びました。その原っぱの場所はこの辺りです。

以上、準備など複雑で時間もかかると思いますが1つずつ確実にやっていけば大きな問題もなく進めれるはずです!頑張ってください!!

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